医療AIスタートアップ

国内医療×AIベンチャー オンライン診療編

前回はAIによる画像解析を活用しているベンチャーを紹介しました。

今回は、コロナウイルスで特に注目を集めている、問診やオンライン診療分野の国内ベンチャーを紹介していきます。

1. Ubie

Ubieより引用

Ubieは、医師の負担を増やす主な原因である事務作業を減らすべく開発された、問診に特化したAI問診プロダクトを提供しています。

現役の医師が開発しており、エビデンスに基づいた約5万件の論文から抽出されたデータで構築されています。

AIが疑わしい疾患を推測しながら次々質問していくのが特徴です。

回答結果は、カルテに記入するような専門用語と文章に変換され、医師のパソコン上に出力されるので、紙カルテを転記する手間を減らします。

すでに全国200以上の医療機関で稼働しており、導入した医療機関では、問診時間を1件当たり約6分削減し、合計の問診時間を約3分の1に減らす効果が得られたといいます。

Ubieより引用

現段階では、AIが導き出す病名の合致率についての数字は見当たりませんでしたが、これからさらに研究が進めば、自宅でアプリを使って問診を行うことが可能になる時代が来るかもしれません。

特徴5万件の論文から抽出されたデータで構築されたAIによる問診
事業内容医療機関向けAI問診プロダクト
生活者向けAI受診相談プロダクト
技術背景自然言語処理

2. メドレー

メドレーより引用

メドレーはオンライン診療のパイオニア企業です。

2019年度ASPIC IoT・AI・クラウドアワード「ベスト社会貢献賞」を受賞するなど、そのサービスは高い評価を得ています。着実にオンライン診療の市場が拡大しつつある昨今、ますます注目すべき企業です。

オンライン診療のプラットフォームを提供するCLINICSは、1187医院が導入しています。

オンライン診療サービスだけでなく、オンライン予約システム、クラウド電子カルテなど、業務フロー全体の効率化を目指しているのが特徴です。

メドレーより引用

また、2020年9月に薬機法一部改正の施行によりオンライン服薬指導が全国解禁されることを受けて、メドレーはオンライン服薬指導支援システムの正式提供を開始することを発表しました。

特徴業務フロー全体のデジタル化を目指している点
事業内容オンライン診療
オンライン予約システム
クラウド電子カルテ
技術背景アプリ開発

3. MICIN

MICINより引用

MICIN社のCuronは日本のオンライン診療において導入施設数の数が最も多いサービスです。

導入に際して医院側に費用がかからないのが特徴で、患者の方が利用する際に300円の手数料を払うシステムとなっています。

導入施設数は2500で、CLINICSの2倍近くになります。

3月には、医療機関から薬局へボタン1つで処方箋や患者情報をFAX共有できる処方箋FAX共有機能の提供を開始しました。

新型コロナウイルスの影響で医療機関への定期受診が難しい現状でも、患者が治療を受け続けられる体制を整えてくれています。

特徴医院側に費用がかからず、患者が手数料を払う点
事業内容オンライン診療
データソリューション事業
技術背景」アプリ開発
データサイエンス

4. miup  

miup

 東京大学発のベンチャーMiupは、開発途上国であるバングラデシュにおいて、人工知能(AI)を用いた検診・遠隔医療システムを開発しているベンチャーです。

バングラデシュの医師や医療スタッフの数は日本に比べると非常に少なく、医師の数は日本が人口1,000人あたり2.37人なのに対しバングラデシュは0.48人で、多くの人が処方箋なしに薬を購入し、結果的に間違った薬が販売されてしまうことがしばしばあるそうです。

この問題を解決するためmiupはAIを用いて人的コストを削減しながら、症状やヴァイタル値から統計的処理を行い、罹患している可能性の高い疾患や処方箋を示唆する診断補助システムや、遠隔医療のシステムなどを開発しています。

こうした課題解決を行う一方で、都市の中産階級以上の富裕層向けのデリヴァリー式の検診サービスや、医療機関向けの臨床検査センター運営というBtoBのサービスを行い、収益源にしています。

途上国では規制と既得権益の多い先進国よりもデータの収集、活用において優位に立てる。データを機械に学習させたのちに世界の隅々まで医療を届けることを目標としています。

特徴バングラデシュでサービスを展開している点
事業内容検診・遠隔医療システムの開発
臨床検査センター運営
技術背景機械学習

まとめ

いかがだったでしょうか?

すでに浸透してきているのでご存知のサービスもあったと思いますが、様々な形でこれまでの医療の形と異なる動きが出てきています。

コロナを機に大きく変わった環境に置いていかれないようにしたいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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