医療AIスタートアップ

医療AIスタートアップ4選
【海外編~画像診断~】

こんにちは。

MedTechToday 編集部のふじいふみやです。

私たちは、ハイパースペクトルカメラという特殊なカメラで医療用画像を撮影して画像診断をするAIソフトウェアを開発しているベンチャー MILK を運営しています。

「MedTech Today」を立ち上げた経緯について、よろしければ合わせてお読みください。

本記事では、海外の「AI×医療画像」のサービスの最新情報(2020年5月現在)をまとめました。

ここ数年で、医療用AIを開発している会社が爆発的に増えており、

「医療AIに興味があるけど、正直それぞれがどのような特徴をもっているかわからない」という方も多いかと思います。

さらに、海外となるともはや見分けがつかないですよね(^_^;)

本記事では、できるだけ技術や特徴の違いがわかるようにまとめましたので、楽しんでお読みいただけると嬉しいです。

1.Path AI 

path aiより引用

PathAI(https://www.pathai.com/)は、

ハーバード大学の教授であったAndy Beck氏が2016年に創業した病理医補助AIのスタートアップです。

元病理医の方が開発している信頼感と、その技術力に期待が集まっています。

2019年7月に発表された医薬品開発サービスでは、メルクやブリストル・マイヤーズスクイブなどの医薬品大手とパートナーシップを結ぶという方針を示しています。

FDA認証を取得するまでは、医療で使用することができないため、現在需要がある医薬品会社への導入で、医療機関への導入時期を待っている状態です。

また、2019年10月には非アルコール性脂肪性肝炎の疾患を定量的に評価する方法を発表するなど、病理の課題の一つである「病理医間での評価のズレ」を解決する研究をいくつも発表しています。

アメリカの画像診断AIでは、もっとも先行している企業のひとつと言ってよいのではないでしょうか。

特徴医療関係研究に焦点を当ててAIを開発している点
創業場所ボストン アメリカ合衆国
事業内容病理医向け画像診断補助AIの開発
医薬品会社向けAIの開発
技術背景機械学習 ディープラーニング の最新手法

2. 3D HISTECH

3DHISTECH(https://www.3dhistech.com/quantcenter)は、

ハンガリー発の画像診断補助AIを開発しているスタートアップです。元はスライドスキャナー用ソフトの開発会社から始まりましたが、2014年から病理AIにも進出しています。

3D HISTECHが開発している画像診断プラットフォーム「QuantCenter」は、

既存のホールスライドイメージングと組み合わせて使用できる多様なツールが魅力で、少ない画像でも個人で学習させたAIで簡単に識別することができます。

3D HISTECHより引用

病理医の方が指定した範囲の染色した細胞の色と、テクスチャのパターンを学習し、それ以外の細胞に関しても似たものを識別することが可能になります。

対応しているのは、組織分類(蛍光・明視野)、組織核抽出、染色密度、FISH・CISHの定量化などで、非常に幅広い分野で識別を行うことができる点が特徴です。

特徴対応範囲の広いソフトウェア
創業場所ハンガリー
事業内容画像診断補助AIツールの開発
デジタルスライドスキャナー、マイクロティッシュアレイの販売
技術背景機械学習(色とテクスチャパターン)

3.VisioPharm

VisioPharm(https://www.visiopharm.com/about-us)は、バイオ領域の様々な画像分析ソフトウェアを開発している2001年創業の会社です。

Visio Pharmより引用

ここでは病理画像を学習させることに特化したプラットフォーム「Oncotopix&Biotopics AI」を開発しています。

HE染色とIHC染色の2つの染色に対応し、病理標本を手動で学習していくだけで、ディープニューラルネットワークをトレーニングできます。

一番の特徴は、独自のアルゴリズムを少ないデータ量で効率的に開発できる点です。従来は正確なセグメント化が難しかった糸球体のセグメンテーションを自動化することができた事例もあります。

Visio Pharmより引用
特徴ディープラーニングの独自アルゴリズムを効率的に開発できる点
創業場所デンマーク
事業内容研究用画像分析AIの開発
多種画像分析ソフトウェアの開発
技術背景ディープラーニング

4. ZEBRA

Zebraは、放射線画像に特快したAIを開発しているイスラエルのスタートアップです。

数十万枚もの胸部X線やCTスキャンの画像と臨床記録をAIに学習させることで、不足している放射線科医のサポートをし、今後10年間で中産階級に加わる世界10億人の診断ギャップを埋めることをビジョンとしています。

Zebraより引用

ZEBRAは、これまでに骨粗鬆症の骨折リスク評価や頭蓋内出血の分類などの研究を発表しています。

特徴放射線画像にフォーカスしている点
創業場所イスラエル
事業内容放射線画像診断AIの開発
技術背景ディープラーニング

まとめ

以上、海外で画像診断AIを開発しているスタートアップを4つご紹介させていただきました。

世界的に不足している病理医を補助するAIシステムが次々と開発されていますが

このなかで研究者としてどのように人の役に立つ研究ができるかを考える機会になりましたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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